ゲームのUI

テレビゲームのUI(とりわけ初期のゲームのUI)は素晴らしいとしか言いようがない。なにせ小学生でも一瞬で理解できる上に、あれだけ複雑な操作を非常に少ないボタンだけでこなしてしまうのだから。

WindowsMacでは相変わらず静的で文字だらけでボタンだらけのUIを使っているが、テレビゲームでは色んなものなめらかに動き、ビジュアルで直感的なUIが当たり前だ。
なによりゲームをしている時はメモリがどうだとか処理が遅いだとかいったことを全く考える必要がなかった。残念ながら最近のゲーム機は性能についてとやかく言われることが多くなってしまったけれど、ファミコンゲームボーイの時代、コンピュータについての知識なんてこれっぽっちも無かった自分でも使いこなせていた。

ゲームを子供でも操作できたのは決して当たり前でも偶然でもない。そうデザインされていたからこそ誰でも使うことができた。(ということを知ったのは割と最近になってからだ)

OSで使われているマウスやキーボード、ウィンドウやアイコンといったUIはもう20年以上も大して変わっていない。反面、テレビゲームはタッチパネルや太鼓といった新しいデバイス、3D・サウンドを有効に活用した新しいUIを次々と採り入れて常に進歩し続けている。
ゲームこそUI分野の最先端だと言っても過言ではない。(それに比べて大学のUI研究は…)

ゲームのUIをもっと見習って色んな所に応用することができる。
渡邊君のVisualHaptics(http://www.persistent.org/visualhaptics.html)はカーソルをゲームのキャラクターのように見なすことで表現力を高めるものだし、自分のちらりウィンドウ(http://sappari.org/chirari.html)は横スクロールゲームの背景が動くことで奥行きを感じる疑似3Dの効果をヒントにしたものだ。
ゲームでは当たり前になっているような、例えばゼルダがものを投げたりジャンプしたりするという操作やシューティングゲーム風の画面を今のコンピュータに採り入れることだってできるだろう。

ゲームのUI(特にソフトウェア)についてのまとまった研究はほとんどなされていないので、ユビキタスやタンジブルといった分野よりもよっぽどフロンティアなんではないかと思う。

という話を渡邊君(http://persistent.org)や児玉さん(http://web.sfc.keio.ac.jp/~codama/blog/)らとよくする。